今週の概況
今週の量子コンピュータ市場は、業界の旗振り役であるIonQの第1四半期決算が、期待と失望が入り混じる形で全体の値動きを支配しました。IonQは売上高が市場予想を大幅に上回る爆発的な成長(前年比7.5倍)を見せ、通期ガイダンスも引き上げるなど実力の高さを示しました。しかし、株価は発表直後の急騰から一転、材料出尽くし感による利益確定売りに押され、関連銘柄全体もその軟調な地合いに引きずられる展開となりました。一方で、ハードウェア・インフラ層ではQuantWareによる巨額調達など、商用化に向けたサプライチェーンの整備が進む動きも見られました。現在は期待先行の相場から、実益とコストのバランスを見極める厳しい「選別フェーズ」に移行しており、目先の株価は調整含みながらも、業界の基盤自体は着実に強固なものとなっています。
1. 今週の重要ニュース(5選)
- IonQ Q1決算:売上高755%増の爆発的成長も、決算後は2.4%の小幅下落
- 5月6日に発表された2026年第1四半期決算では、売上高が6,470万ドル(前年比8倍以上)に達し、市場予想(4,970万ドル)を大幅に上回りました。通期ガイダンスも2.6億〜2.7億ドルに引き上げられましたが、SkyWater社との提携に伴うコスト増(EBITDA赤字の継続)が嫌気され、発表翌日の株価は材料出尽くし感から約2.4%下落しました。
- Rigetti Computing:Q1決算発表(5/11)を前に受注期待で株価堅調
- 明日5月11日の引け後に決算発表を控えるRigettiは、直近の1週間で株価が$18.22付近まで反発。政府系および民間からのハードウェア受注が堅調であるとの観測が出ています。先週発表された他社の好決算を受け、Rigettiの「Cepheus」システムの商用化進捗に投資家の注目が集まっています。
- QuEraによる「2026年量子準備レポート」:予算増額企業が44%に(5/6)
- QuEra Computingが5月6日に発表した調査結果によると、企業の投資フェーズが「関心」から「実証」へ完全に移行しました。回答企業の44%が2026年の予算増額を予定しており、特に物流と創薬分野での「古典コンピュータの限界」突破に向けた実利的な動きが加速しています。
- QuantWare:1万量子ビット級プロセッサ開発へ1.78億ドルを調達(5/5)
- オランダのQuantWareが5月5日、シリーズBで1.78億ドル(約270億円)の資金調達を実施しました。独自のVIO技術により1万量子ビットを超えるプロセッサを製造する「KiloFab」の建設を加速させます。専用ファブ(工場)による量産体制の構築は、量子ハードウェアのコモディティ化を象徴する動きです。
- IonQ:光インターコネクト(Photonic Interconnect)の成功を発表(5/7)
- 決算週に合わせ、IonQはスケーラビリティ確保の鍵となる「光インターコネクト」技術の実証成功を報告しました。これにより単一チップの限界を超えた大規模システムの構築が可能になり、モジュール型量子コンピュータの実現性が高まったと評価されています。モトリーフール誌などの投資メディアも「基盤レイヤーとしての重要性」を強調しています。
2. 株価・為替チャート


