シンガポールを拠点とするHorizon Quantum Computingが、持株会社Horizon Quantum Holdings Ltd.を通じて米国NASDAQ市場への上場を果たしました。量子技術が研究段階から商用インフラストラクチャへの移行期を迎える中、同社のソフトウェア技術が投資対象として高い注目を集めています。
結論からいうと、NASDAQに上場はしたものの、2026年3月現在、日本の主要ネット証券(SBI証券や楽天証券など)ではすぐに購入できない状態です。本記事では、同社の事業内容や現時点で株が買えない理由、今後の投資視点を客観的に解説します。
Horizon Quantum Holdingsとはどんな会社か
Horizon Quantum Holdingsは、量子アプリケーションの開発を簡素化するためのソフトウェア・インフラストラクチャを構築するテクノロジー企業です。シンガポールを拠点とし、ハードウェアそのものではなく、ソフトウェアの提供に特化しています。
2018年に量子計算理論の専門家であるジョー・フィッツサイモンズ博士によって設立されました。独自の統合開発環境「Triple Alpha」などを提供し、複雑なプログラミングの壁を下げることを目指しています。
同社の最大の特徴は、特定の量子コンピュータ方式(超伝導やイオン・トラップなど)に依存しない「ハードウェア・アグノスティック(非依存)」という戦略です。どの方式が将来の覇権を握っても対応できる基盤を構築しています。
いつどこに上場したか(NASDAQ上場の概要)
同社は、特別買収目的会社(SPAC)であるdMY Squared Technology Group, Inc.との合併を通じて上場しました。
- 上場時期:2026年3月20日
- 上場市場:NASDAQ
- ティッカーシンボル:HQ
今回のSPAC合併により、約1億2,000万ドルの総資金を確保したとされています。また、量子ハードウェア企業のIonQやフォーチュン50企業もPIPE投資(上場前の私募増資)に参加しており、資金調達と成長戦略の基盤を固めています。
Horizon Quantum Holdingsの競合企業
量子コンピュータ市場には、自社で計算機本体を開発するハードウェア専業企業が先行して上場しています。ホライゾン社はこれらと競合するのではなく、補完する立ち位置にあります。
以下の表は、主要な上場量子コンピュータ企業とホライゾン社のポジショニングを比較したものです。
| 企業名 | 主要技術・方式 | ポジショニング(ハード/ソフト) |
|---|---|---|
| Horizon (HQ) | ソフトウェア(非依存) | ソフトウェア専業(共通基盤の提供) |
| IonQ (IONQ) | イオン・トラップ型 | ハードウェア専業(クラウド経由で提供) |
| Rigetti (RGTI) | 超伝導回路型 | ハードウェア専業(フルスタック開発) |
| D-Wave (QBTS) | 量子アニーリング・ゲート式 | ハードウェア中心(最適化問題に特化) |
ハードウェア企業が自社の物理方式の性能向上を競う一方で、ソフトウェア専業であるホライゾン社は「ピック・アンド・ショベル(ツルハシとスコップ)」戦略をとっていると評価されています。
Horizon Quantum Holdingsの株は買える?
前述の通り、米国市場で取引が開始されても、日本の投資家がすぐに購入できるわけではありません。
日本から購入できるか
マネックス証券で買える
2026年3月現在、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの主要ネット証券において、ティッカー「HQ」の取り扱いは開始されていません。米国株としてシステムに反映されていないため、現時点では注文不可能です。
2026年4月5日現在、マネックス証券で取り扱われています。SBI証券、楽天証券では現時点では取り扱いは開始されていません。その他の証券会社の取り扱い状況は、各自ご確認ください。
マネックス証券は米国株の取扱基準が比較的広く、小型や新規銘柄も採用されやすいため、銘柄によっては他社より早く取引できるケースが多いです。
いつ買えるようになるか
SPAC合併による上場銘柄は、日本国内での取り扱い開始までに構造的なタイムラグが生じます。
- 事務処理の遅れ:SPACから新会社への移行には、日米の機関連携を含め通常3〜5営業日を要します。
- 審査プロセス:外国企業の開示資料の審査や、特定口座での取り扱い可否の判断に時間がかかります。
- 証券会社の基準:上場直後のボラティリティ(価格変動)が高い銘柄は、採用が見送られるケースもあります。
取扱開始のタイミングは各証券会社により異なるため、一般的な目安として数週間程度を見込みつつ、定期的な確認が必要です。
Horizon Quantum Holdingsは投資対象としてどうか
同社への投資を検討する際の強みとリスクは以下の通りです。
- 強み:
- 特定のハードウェア方式の勝敗に依存しない柔軟なビジネスモデルを持っています。
- IonQなど有力企業からの出資による業界からの高い評価を得ています。
- 約1億2,000万ドルとされる強固な資金基盤を保有しています。
- リスク:
- 創業者が議決権の約64.1%を握る構造となっており、一般株主の権利が制限されやすいガバナンス上の懸念があります。
- 競合他社の株価売上高倍率(PSR)が異常値を示しており、セクター全体の「量子バブル」崩壊リスクが指摘されています。
- SPAC銘柄特有の売り圧力や、市場マクロ要因による激しい価格変動(ボラティリティ)が予想されます。
量子セクターへの投資は将来性が期待される一方で、不確実性も伴います。投資判断は自己責任で行う必要があります。
まとめ
Horizon Quantum Holdings (NASDAQ: HQ) は、量子コンピュータのプログラミングを一般化し、ハードウェアに依存しない共通基盤を提供する注目のソフトウェア企業です。
現時点ではSPAC合併に伴う事務手続き等の影響で、日本の主要ネット証券からはすぐに購入できない状態が続いています。投資を検討する際は、証券会社での取扱開始を待つとともに、セクター全体の割高感や特有のガバナンス構造といったリスク要因を冷静に評価することが求められます。
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